「・・・・ソウ・・・・メツ・・・」
異形の人型は何やら呟きながらこちらに向かってきていました。
私は、ゆっくりと後ずさりして、それとは目を離さないようにしました。
そう、後ろを向いた瞬間に捕まえられると思ったから・・・。
距離を取ろうとズリズリ下がっていると、それの左右にも人影が出てきました。
同じような人影が2体ある・・・そう見えたとき私はもうダメだと思いました。
その時、傍の茂みから何かが飛びだしてきました!
あれは・・・少女・・・?レインコートを来た背丈の低い女の子でした。
ただ、少女はナイフを持っていました。
そして・・・そのナイフを掲げ、おもむろに私に切りかかってきました!
「きゃあああああ!」
私はとっさに腕を前に出して、身を守りました。
ナイフは左肘の近くをかすりました。
少女はまたナイフを構えこちらに向かって走ってきました。
私は何が何だか分からず恐怖で身構えていましたが、少女は傷ついた私の腕を掴み、怪物とは逆方向に向かって走りました。
「奴は痛みを怖がる、特に外傷を見せつけるのは有効。
痛がるんだ。
そしてアタシに付いてきな。」
少女はそう言って強い力で私の腕を掴み、私は痛みで声が出ました。
チラリと後ろを見てみると、怪物たちは青ざめた顔をして追いかけてくるのを躊躇していました。
そして彼女に引っ張られる形で森の奥へと連れられていきました。