薄暗い森の中、私は地面に横たわっていることに気が付きました。
辺りには合わせ鏡に使った廃車も無く、木々も枯れていて雰囲気も暗く全く別の場所でした。
小雨が降る中、私は状況もよく分かっていなかった為、とりあえず雨宿りができそうな場所を探しました。
心細さで精神をすり減らしながらも、姉に会いたい気持ちで必死でした。
しかしこの時は、安易に異世界に行く方法を試したことに強く後悔もしていました。
辺りには雨宿りができそうになく、さらに暗くなっていきました。
そのとき、前方のさらに向こう側に人影がありました。
「お姉ちゃん・・・?」
私は姉であって欲しい一心で人影の方に向かっていきました。
しかしながら、その人影は明らかに不審でした。
人影は、常に下をうつ向きながらこちらへ来いているような・・・。
私は足を止め、警戒しました。
そして気が付きました。
その人影は下をうつ向いているのではなく、頭がなかったのです。
正確には頭は胸に埋め込まれているような異形の人型でした。
その人影が近づくにつれ、この世のものではないことが分かってきました。
私は人間の住まない異世界に来てしまったのだと確信しました。