異世界の都市伝説 その1

『丑三つ時にあわせ鏡をしてはいけない』

あなたはそんなことを聞いたことはありますか?

丑三つ時は、丑の刻つまり夜中2時の30分の間を差しており、現世とは別の物に遭遇する不吉な時間を差しています。

また、合わせ鏡も霊を呼び寄せる不吉な行動として有名です。

私が聞いた都市伝説ではこのようなものがあります。

『T県の霊山麓で、午後2時に合わせ鏡をすると異世界に飛ばされてしまう。』

いったい、異世界とはどのような場所なのでしょうか?

当時、私は知りもしませんでした。

しかし私はどうしても異世界に行きたかったのでした。

私には、年の離れた姉が居ました。

姉はオカルト好きで、この手の都市伝説を調べてみるのが大好きでした。

ある日、姉は友達とドライブへ行き、そのまま行方不明となりました。

姉の行方不明には異世界の都市伝説が絡んでいるのではないか・・・そう思い、私は姉の部屋からそれらしいオカルトについてを調べました。

そしてやっとこの都市伝説に行きついたのです。

そう、私は異世界に行き姉を連れて帰ってきたかったのです。

都市伝説の詳細は不明ですが、学生の私でも少し無理したら行けなくもない場所でした。

私は、夜に家を抜け出して原付バイクを使い、T県の霊山の麓まで行きました。

後は合わせ鏡をすれば良いのですが、持ってきた2枚の鏡をどのように合わせ鏡すれば良いかについては謎でした。

単純に2枚を合わせてみても何も起こりませんでした・・・。

辺りを歩き、午後2時30分に差し掛かる頃、廃車を見つけました。その廃車にはサイドミラーが残っていました。

半ばあきらめつつ、この廃車のサイドミラーと私の手鏡で合わせ鏡をしてみました。この時、雲が明けて満月の光が差したのを覚えています。

その時、鏡と鏡との間に何か違和感のようなものがありました。月光が鏡間で閉じ込められて鋭い光を放つ感覚でした。

私は自分が間に入るように、手の位置を変えました。

すると、鏡間は非常にまぶしく目を開けていられませんでした。この瞬間、私は平衡感覚を失いました。

私は、異世界へ飛ばされてしまいました。

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