「はは!父さんの手紙の通り!おっきい火のトカゲだ!」
私の血の気が引いている隣でレンジは笑っていた。
「リリス安心して!サラマンダーは火山岩を食べる大人しいトカゲなんだ!見た目は怖いけどこっちから干渉をしなければ襲われることはないよ。」
たしかにサラマンダーの動きは遅く、ゆっくりと周りの岩を食べている。確かに見慣れてきたらカワイイかもしれない・・・。
「さぁ!リリスこっちだよ!」
ぐいぐい彼のペースに引っ張られ連れて行かれると、そこは小さな小部屋だった。
小部屋の机には何か書き置きがあり、レンジがそれとにらめっこを始めていた。
「ねぇ、その書き置きには何が書かれているの?」
「これは父さんの残したメモだ。インクの渇き具合や紙の質を考えると2~3カ月前のメモみたいだね。・・・内容は・・・と」
私達がレンジのお父さんの書き置きを読んでいると、何やら小屋の入口付近から悲鳴が聞こえてきた・・・!
「ひょぇええ!お助けぇええ!」
「悲鳴だ!まさか僕ら以外に、誰かが山に踏み入って来たのか?」
「小屋の外で聞こえたわ!」
小屋から外の様子を覗いていると、そこには私のマネージャーがサラマンダーを見て腰を抜かしていた。