「あの野郎、トロッコで逃げやがった!」
この遺跡は、山の内部と繋がっているようで採掘用に使われていたトロッコがあちこちにありました。そんな中で娘さんとゴーレムはトロッコを使いレールの上を猛スピードで駆けていきました。
「俺達も追うぞ!風月、トロッコを押してくれ!」
「アホか!俺一人にさせないでお前も助走つけろ!」
「あわわわわ…」
私たちもトロッコにのり、二人を追いかけました。このトロッコ、すごいスピードが出てなかなかスリルがありました。
「お嬢さん!俺たちはあんたの親父さんの依頼でここまで来た!どうしてこんなことになっているか教えてくれないか?」
ご主人様が大声で町長の娘さんに質問をします。
「このゴーレムはウチの執事用ゴーレムなんですけど、ゴーレムなしでは成り立たなくなっている町を危険と判断して暴走し、私をここまで連れてきたんです!」
「暴走ではありません。適切な処理です。」
「俺たちはあんた達に危害を加えるつもりはない、トロッコを止めてくれないか?」
「失礼ながら、町長と関わりを持っているあなた方を安全と判断することはできません」
「この分からず屋ポンコツゴーレム!」
娘さんはお怒りみたいです。