気が付いたら自分と姫様は廃屋の地下室に捕らえられていた。
これは姫様から聞いた話だが、姫様は気を失った自分のことを気づかってくれてあっさり投降してくれたそうだ。
姫様は翌日には魔王城へ連れて行かれるらしく、自分たちはこのまま捕まったままではいかない状況なのだが・・・。
姫様は自分を案じてなのかそっとしてくれていた。
申し訳ない気持ちもあるが、そんな中で自分はハリードのことが気がかりで仕方なかった。
自分の不甲斐なさに嫌気が差してくる・・・。
その時、上の階が騒がしくなってきた。
「お、王国軍だぁー!!」
「魔王軍の盗賊団どもめ!ここで成敗してくれる!!!」
どうやら、王国軍の騎士団がたまたまこの廃屋にて魔王軍の一味を討伐に来たらしい。
「な!まずいぞ近衛兵!魔王軍より王国軍のほうがまずい!我が城に連れ帰されるぞ!大人しくしていたらこのまま魔王城に踏み込めると思っていたのに!」
姫様が焦る。
だが、考えていればこの旅自体が無茶なものだったのではないか?
姫様も安全な城に戻れる。
「… 姫様、このままおとなしく城に帰りましょう・・・」
カード: 挫折 地下牢