異世界の都市伝説 その6

 翌朝、まだ辺りが薄暗い中で目が覚めました。

起きて辺りを見回すと、火が消えていて少女の姿はありませんでした。

私は焦り、乾いた服に着替え急ぎ洞穴から出ると、こちらに向かって歩いてくる少女の姿がありました。

「おや、目覚めたか!どうだった?寝心地は?」

私が安堵している中、少女は笑顔で語りかけてきました。

「調度、今の時間帯なら霧も薄い、すぐ支度をして出かけるぞ。」

「出かける?いったいどこへ行くの?」

「私は現世に帰る方法については分からない、ただ関係のある場所なら知ってるぞ。行くだろ?山の先の湖へ。」

私は二つ返事をして、少女に感謝の気持ちを伝えました。

姉に関する情報は分からないままでしたが、現世に帰る方法については知っておきたかったです。

もしかしたら、姉にも会えるかもしれない・・・そんな淡い希望を抱いてもいました。

 

 私たちは雨の中、ゴワゴワした山中に居ました。

「湖まで行くには、この道を越えるしかない・・・大体4分目といったところだろうか。」

「はぁ・・・はぁ・・・」

山中のむき出しの岩肌は私を歓迎してはくれず、私には非常に険しい山中でした。

「・・・貴女は、湖には行ったことあるんですか?」

私は彼女に問いかけました。

「いや、遠くから眺めたことがあるだけだ・・・あそこにはちょっと厄介な化物がいてな・・・。」

「化物・・・もしかしてその化物が邪魔で貴女は現世に帰れないのですか?」

「私が現世にか?・・・いや、私は現世に帰る気はないぞ」

「え?それならばどうして?!」

私が声を掛けようとした時、道の先に何か違和感を感じました。

「(・・・あの先ですが、何かおかしく無いですか?)」

「(・・・この山中には、姿が見えない魔物がいる。君に言われて気が付いたよ・・・。このタイミングで雨が降ってて良かった。)」

少女がそう答えると、違和感の招待に気が付きました。

道の先に雨の当たらないスポットがあったのです。

おそらく・・・そのスポットには見えない何かが潜んでいるのが感じ取れます。

「(このままじっとして、奴をやり過ごすぞ。)」

私たちは息を殺して身を潜めました。

しばらくすると、雨の当たらないスポットは崖を登るように移動していきました。

「奴は崖を登って行ったようだな・・・もう大丈夫だ、先に進もう。」

少女がこちらを振り向いたとき、崖から大岩が落ちてきたことに気が付きました!

「危ない!!」

私は少女を突き飛ばしました。

幸い、私たちは大きな岩を避けることはできました。しかし、細かい岩々が私に容赦なく降り注ぎました。

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