魔王再臨?! その5

俺たちは、当初の目的だった魔王軍が拠点として使われた洞窟へ向かった。

洞窟は薄気味悪く、いかにも邪悪な者たちが潜んでいる雰囲気がする・・・

魔王軍の残党の調査だけど・・・まさか魔王の強力な幹部だったりが残ったりしてないよね?

「ルナさん、ここから洞窟の調査をする訳なんだけど・・・危ないから俺から離れないでね。」
「はい、フェリック様の後ろに着いていきますよ。」

ああ~なんて表現すれば良いのだろう・・・ルナさんは本当に聞き分けの良い娘だ。

薄気味の悪い地でも、俺を清々しくしてくれる心の清涼剤的な・・・おっといかん、初任務に集中せねば・・・

松明をかざしながら、俺たちは洞窟の奥へと進んでいった。

特に人も生き物もいる気配はないが・・・調査ってこんなもんでも良いのだろうか?

少しばかり広い通りにたどり着いた俺たち、そこで何か強烈な違和感を覚えた!

「ん?あそこの床・・・なんか変なくぼみが・・・」

俺は、石ころをくぼみに向かって投げる。

途端、壁から槍が出てきた!

「うおぁ!」

石ころ投げて良かった!

この洞窟、ところどころワナが仕掛けられている!

「すごい!フェリック様、よく気が付きましたね!」

「ハハハ・・・俺ほどの冒険者になると、仕掛けられているワナなんてすぐに見抜いてしまうんだ!・・・多分」

・・・ルナさんと話していて気が付いたけど、これ盗賊の素養ってヤツじゃないかな・・・。

よくよく見てみたらあそこにも・・・あんな壁にも・・・おいおい、天井にだって仕掛けられているじゃないか・・・

はぁ~俺はつくづく盗賊に向いているんだなぁ~

とにかく今は生まれ持った才能に感謝しよう・・・

 

罠を避けながら、俺たちはさらに奥へと進んだ。

どうやら最奥地みたいだけど・・・あれは祭壇・・・?

ん?誰か居るぞ???

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