ビヨンドザデッドエンド その3

金額を聞いて、戦慄してしまった。

「・・・え?相場の二十倍はしない?二人合わせて一〇〇〇$よね?」

「いや、一人1000$だ、悪いがびた一文負けられない・・・」

アイザックを部屋に預け、この町を散策して気が付いた・・・

この町、めちゃくちゃ物価が高い!

アイザックの常備薬を補充しに行ったときも相場の十倍の金額は取られてしまった。おじさんもびた一文負けてはくれなかった・・・。

アイザックが動けるようになるまではお金は建て替えるしかない・・・にしてもなんでもかんでも高すぎる・・・あぁお腹が減ってきた・・・。

そういえばアイザックを背負って走って、動きっぱなしだったなぁ・・・。お腹がすいて動けそうにないなぁ・・・。

「おねえちゃん、お腹減ってるの?」

麺麭を籠に入れた少女が話かけてきた。あなた美味しそうなものを持ち歩いているのね。

「麺麭(パン)を売って欲しいんだけど・・・手持ちの十$で足りr」

「 100 $よ。びた一文負かないわ!」

相場の百倍・・・私は目の前が真っ暗になって地べたにぱたりと倒れた。

「あら~おねぇちゃん、本当に訳アリで困ってそうね?いいわ!特別に

10$でパンを売ってあげる」

「本当?!かたじけない!!」

私は地べたから飛び上がり、貪るように少女の麺麭を食べた。美味しい。

「・・・この町は旅人に厳しい町ね・・・足元見てくる宿屋や高額の薬屋、そこのぼったくり麺麭屋とか!」

「あらら、ちゃんと相場の10倍に値下げしてあげたし、そこは感謝しといてよ~。それにこの町はみんな必死でお金を集めている訳があるのよ。」

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