人も通らなそうな静かな山道・・・人に追われることも助けを求めることもできない道・・・
あたし、千花(せんか)とコイツ、アイザックは訳あって二人を旅している。
目的地は遥か遠い地なんだけど、アイザックは一時期は名のある錬金術師だったらしくて、今でも良く何者かに襲われることがあるから、人気のない道を探しては進んでいるの。
もうすぐ、町に着くと思うんだけど・・・
「うぐぅ!!!!」
アイザックが急に胸を抱えて立ち止まった。
「!?もしかして、また発作なの?!」
アイザックは昔、錬金術の実験での後遺症から今でもこんな風に苦しみだしたりすることがある。
「・・・すまない千花、私は今日はこれ以上歩けそうにない・・・一旦休ませてくれないか?」
「あー別に無理しなくていいから休憩しよ?」
「・・・あぁ、周りの様子を見張ってくれ・・・ふぐぅ!」
「アイザック?!・・・ここで休むくらいだったらもう少し落ち着けるところへアイザックを連れてった方が良いわね。」
私はアイザックに常備薬を飲ませ、彼を背中におぶって先に進んだ。