「着いたわ、ここにストーカーと白鳥さんがいるはず・・・。」
私達二人は、山道を3時間かけて登り惰気有山荘に着いた。ただ、この山荘、数十年前に廃業しており人が住んでいる気配もない・・・。
「こんな所、絶対ろくでもない目に合いますよ!警察呼んでさっさと解決してもらいましょう!!」
我妻君が意気地のない発言をする。
確かに我妻君の言うことは正しいのだが、ストーカーからの手紙には人質として白鳥さんを捕えていることと警察には連絡しない条件が明記されていた。
ストーカーが私を呼んだ目的も良く分かってはいないが、探偵として調査を進めたいという意思も私にはあった。
「ストーカーの正体を暴くことも大事だとは思うけど、白鳥さんを連れて帰ることが最優先よ!さあ我妻君、男らしく勇気を出して先に歩いて!」
「響子さんヒドイですよ!僕怖いとこ大の苦手なんですよぉ・・・
無事に帰れたらアルバイト代高めに要求しますかね!」
我妻君が死亡フラグを立てながら先導してくれた。
彼は準備だけは良い子で、パンパンのリュックサックから懐中電灯を取り出している。
私はそれに感心しながら、彼に付いて山荘に入った。