姫様が私の首を掴み怒号をぶつけてきた。
「お前の親友が命を落としたことも、盗賊になっていたことにもショックを受ける気持ちも分かる。
ただ、私たちが旅を終えるのは違うだろ!
このまま、私が城に帰って軟禁されるのがお前の理想なのか?
かの親友に盗賊をさせる魔王を野放しにするのがお前の役割なのか??
私たちの旅はこんなあっさりと終わるのがお前の信じた道なのか?」
姫様の言う通りだった。
自分は姫様を守るためにここにいる。
そして、こんな所で項垂れて待つよりも、もう一度ハリードと話をして彼を 救う方法を見つけたい!
「…すみません姫様、この牢獄から抜け出しましょう!
そして、一度だけハリードと話をするチャンスを下さい!」
「よし!私に良い考えがあるぞ!」
姫様の良い考えとは王国軍の兵を待ち、素直に牢屋から出してもらうことだった。
「姫様!こんなところにいらしたのですか!」
自分達を見つけてくれ王国軍の兵はあわてて牢屋を開けてくれた。
「出してくれて感謝をする!ところで魔王軍の一味は 捕まえたの?」
「はい姫様!リーダー各の男は取り逃がしてしまい、北の洞窟に逃げた のではないかとのことです!」
「わかった!ではしばらく眠っててくれ!」
そう言って、姫様は兵士のみぞおちにパンチを食らわせた。
兵士はその場に倒れた。
・・・少しやることがえげつないなと思いながらも、魔王軍と王国軍が戦っている混乱に乗じて逃げ、我々は北の洞窟へ向かった。