廃教会を離れた俺たちは、魔王軍の元拠点の洞窟へ向かい旅を続けていた。
「俺の目的地の先に村があるから、ルナさんの足を見てもらった方がよいと思う・・・」
俺はルナさんを背負いながら提案をした。
「悪いんだけど道中で俺の任務を終わらせてから村へ向かう。そんな計画でも大丈夫?」
彼女にとって魔王軍の元拠点に付いていく必要は全くない。けれども俺は彼女がまともに歩けなさそうな彼女が心配だし、洞窟前で一人にさせても残党に襲われたりするかもしれないし・・・そんな考えが俺の中で巡っていた。
「はい!フェリック様に従います!」
ルナさんは元気よく答えてくれた。
なんかルナさん、ハキハキしてるなぁ・・・。
「あのとき、フェリック様が私を助け出してくれなかったら・・・私死んでいたと思います。フェリック様は命の恩人です!」
ルナさんは嬉しそうに話してくれた。
そっか・・・俺は冒険初日にして人助けができたのか・・・ちょっと感激だな!
「いやぁ・・・俺もあのときは必死だったんだけど~命の恩人なんて言われるとなんか照れちゃうな!」
その後もルナさんは俺の思っていることを次々と代弁してくれていた。
「フェリック様は冒険者なのですよね?フェリック様にはもっと凄い似合っている職業があると思います。」
そうだよ!盗賊なんかじゃなくて、俺にはもっと戦士とか勇者とかそういう職業が適切なんだよ!
「いやぁ~持ち上げすぎだって~まだ俺はそもそも依頼を始めたばっかりでまだ右も左も分からないから、この先は違う職業に就くかもしれないし~」
「フェリック様はすごいです!私なんかに言われてもなんともならないかもしれないですが、私が保証します!」
冒険初日に人助けもできたし、かわいい女の子にこれだけ好いてもらえるなんで・・・ギルドで依頼を受注して良かった!