俺と聖職者の少女は、廃教会で雨宿りを続けていた。
俺たちは二人でのほほんと他愛もない話をしながら雨が止むのを待っていた。
彼女はルナという名らしい。
彼女は旅の道中で足を挫いてしまったらしく、この廃教会で一休みしていたそうなのだ。
「フェリック様は、どちらへ行くつもりなのですか?」
「あぁ、この先にある洞穴まで行こうとしているんだよ。」
「わぁ!そうなんですね!私もそちらの方へ行こうと思っていたんですよ~。」
お!奇遇!一人で寂しかったところだから自然と一緒に旅できる流れにならないかな・・・?ちょっと緊張してきたぞ・・・!
「あ、あの・・・ルナさん、もし良かったら・・・」
ガタガタガタ
大きく廃教会が揺れる。
なんだ・・・?この揺れは・・・?!
どうやら強風で廃教会があおられているようだ。
「・・・揺れてるねぇ・・・」
「・・・揺れてますねぇ・・・」
二人でぽかんと見ていると、天井の一部が目の前に落ちてきた!
「ひゃあああ!なんなんですかこれ?!!」
「マズイ!外に出るぞ!」
俺はルナを引っ張って立ち上がったとき
「アイタタタタ!」
あ~!この人足挫いてたんだった!
「えぇい!ままよ!」
俺はルナさんを抱き上げて教会の入り口へ走った!
左右から天井の瓦礫が落ちてくる中、かわしながらも必死に走った!
たまに飛んでくる瓦礫のかけらやスレンドグラスの破片も顔をかすったが、立ち止まる訳にはいかなかった!
よし!外に出た!
振り返ると、跡形もなく崩れた廃教会だったものがそこにはあった。
「「はぁ~助かったぁ~・・・。」」
二人で安堵している中で、雨雲の隙間から日光が明るく俺たちを照らしていた。