ザバァーン
・・・と音の中、私たちは湖に投げ出されました。
突然の水の中、私は状況を把握して少女を探しました。
彼女は水に揺られており、危険な状態であると判断しました。
このとき、彼女を助けるのに必死ではあったものの、自分でも驚くくらい冷静でいたことを覚えています。
何故少女に向かって「お姉ちゃん」と叫んだのだろう・・・。自分でもどうかしていると思っていました。
しかし、こんな年端もいかない子供には姉の面影がいくつもありました。
年が離れている姉は、よく私を可愛がってくれました。
勇敢な姉は、近所に住む家の大きなハスキー犬から私を守ってくれました。
でも水嫌いな姉は、私に泳ぎを教えてはくれませんでした。
少女に向かって水をかき分けているとき、ふと彼女の言葉を思い出しました。
「この世での常識は常に変化するんだ。
そして、この世界では時間の流れは現世と違うんだ。」
私は泣きそうになりながら、彼女の腕を掴みました。
・・・お姉ちゃんは昔から私に心配かけないように必死だったよね。
でも、今度は私がお姉ちゃんを助ける番だから・・・。