廃村山荘誘拐事件 その3

山荘内はフロントから随所に廊下が伸びていて、探索するのには一苦労しそうであった。

「こんなに広いとどこから探索するか困っちゃいますね、響子さんはどちらに行くと良いと思いますか?」

「廊下じゃなくて階段を降りて地下へ行くわよ」

「え?何故ですか?『13人の間』ってセレモニーホールとかそこら辺かと思うんですけど・・・」

「人質に逃げられないように、距離を稼ぐとしたら最上階か最下層になるわ。この山荘、最上階の場合は至る所に窓があるから最悪窓割って逃げられるわよね?木も多いから飛び降りるのもそんな難しくないはず。じゃあそうなったら窓も無い地下じゃない?」

我妻くんは私の答えに納得したらしく、すぐさま階段を見つけてくれた。

階段を降りると倉庫と見られる部屋にたどり着いた。

部屋に入ると、いくつかマネキンが転がっていることに気が付いた。

「 『13人の間』 ・・・13っていうのはマネキンの数を差しているのかしら?」

「いやだな~響子さん、たぶんこの部屋じゃないですよ~だってこの部屋のマネキン、数が1、2、3、4・・・」

「我妻くん!うしろ!!!伏せて!!!!」

我妻くんがうしろを振り返ると同時に、鉈が振り下ろされた!

我妻くんが伏せるのは間に合わないと判断し、彼の腕をとっさに引っ張ったことにより、鉈は彼に当たらず済んだ!

「『13人の間』とは、12体のマネキンとストーカーのことを指す部屋だったのね!」

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