姫様との二人旅は続く。
姫様は魔王を倒すため、目覚めた未知なる力のルーツを知るため。
自分は旧友の真実を知るため、そして姫様を守るため。
「ハリードは言っていました、『俺も助かる』・・・と、彼には何か事情があると思います。」
「そうだな、この旅の先に彼を救う術もあるかもしれない。私のあの力がなになのかも分かるかもしれないな。」
「魔王が姫様を花嫁にと考えているのはその力について知ってるからじゃないんですか?」
「まあ今のままでは真実は何であるかは分からないな・・・だが、一つだけ分かったことはあるぞ。」
「何ですか?分かったことって?」
「お前が私の近衛兵で良かった。そして私と共に旅を続けてくれて良かった。盗賊を前に私を守ると宣言してくれて嬉しかったぞ。」
そう言って姫様は夕日に向かって無邪気に走っていくのを、自分は必至で追いかけるのだった。
カード: 片想い